いつか月を歩こう

自分大好きなオタクが自分語りする

人を羨む人生

「いいなぁ」が口癖である。

 

 友達が私の持っていないおもちゃを見せてきたとき。

 嫌いな人間の家族とディズニーランドに行った話を聞いた時。

 好きな人と仲の良い友達が手を繋いで下校をしているところを見てしまったとき。

 私よりも先に進路を決めた友達が次々と髪の毛を染め始めたとき。

 

 真っ先に、「いいなぁ」と思っているような人生。今文字にして情けないというか、本当に私は空っぽな人間だなと思って凹む。

 

 自分に持っていない、できないことをしている人間が羨ましくて仕方がない。死ぬほどほしくてたまらない。かつては何も持っていないなりに努力して、手に入れようとした時期もあったが所詮空っぽな人間には到底手に届くはずもなく、自傷行為のように絶望し続けたのでいつの日か辞めてしまった。もっと空っぽな人間になるとわかっているがもう怖くて動けない。

 

 本当は、私の努力が足りないことくらいわかっていた。私よりも頑張っている人なんてこの世の人間のほとんどで、そのほとんどの人たちからしたら私の努力なんて努力に入らない。そりゃ届かないはずだ。マイナススタートの人間はゼロスタートの人間よりも遥かに後方にいるのだからもっと頑張らなきゃいけないのは当たり前なのに。

 

「お前の努力は、誰かの当たり前だ」

 

 面と向かって言われたことがある。

どうして、なんで、私だって頑張っているのに。じゃあこの「頑張っている」ってなんなの。誰かの当たり前ってことは、私は当たり前すらできていなかったのか。

 なんか全部どうでもよくなって、いつも自分に言い聞かせてきた「やればできる」にすら絶望した。できていない。まるで。じゃあ、今まで、頑張ったと思っていたこの行為達は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんて私は弱いのだろう。誰よりもできない人間のくせに誰よりも簡単に絶望する。勝手にどん底に落ちて、勝手に上を見上げる。その方が楽なことに気づいてしまったから。

 

 今日もテレビを観て、本を読んで、映画を観て、友達と喋って、人を羨む生活をしている。人を羨み、諦めて、逃げる人生。今日もまたそんな人生。

 

 

 

 

 

 

 

 私もいいなって言われたみたい。そんな人生。